完全にクーラー病になっているような気がする今日この頃です。
一日中、冷房の環境にいる時は気をつけないといけませんね。
この変化って自分ではあまり気付きにくいので、身体からのサインには敏感になろうと思っています。
さてさて、前回は初めての公開MGの場面についてでした。
この初回のMG以降もお付き合いのある会社の方々が来てくれたりと、とてもありがたく開催させて頂いたのを覚えています。
同時に、社員に経営の体験をしてもらいたいという要望も多いんだなって感じたのも1つでした。
経営者にとっては当たり前な経営感覚でも、その感覚を社員に正確に伝えられるかはまた別な話です。
自分の感覚って体験でしか得られないので、伝わらないんですよね。
そんな順調に進んでいたと思えましたが、ある回の最後にこんな質問がありました。
「うちは全部原価で管理しているが、うまくいっている。なぜ直接原価で行うのがいいのか」
典型的な製造業の会社で、1つの製品を製造する際には原材料費の他に、工賃や雑費を計算に含めて原価を算出しているそうです。
全部原価で問題は起こっていないので、直接原価の必要性はあまり感じない、的な感覚のように感じ取れました。
今となってはその理屈はとても理解できますし、無理に直接原価に変えなくてもいいんじゃないかなとも思うくらいです。
ただ、当時は直接原価のメリットをどうしても伝えなくては、と感じていたのを覚えています。
自分は正しいことを言っている、と思ってしまったのかもしれません。
さらに悪いことに、当時のわたしは超未熟だったということでしょう。
頭の中では全部原価で行うと不都合が起こるかもしれないことはわかっているのですが、それがうまく説明ができない。
そんなもどかしい時間でもありました。
1品ごとに全部原価方式でFを出したとして、そのFの合計は実際に会社全体でかかったFの合計とは合致しないことを説明。
なので1品ごとのGは出ていても、会社全体のGはわからないと伝えた記憶があります。
ただ、それでもその会社にはGが出ていたのです。
それだけいい会社だということの現れですし、全部原価と直接原価は単に指標が異なるだけという見かたもできます。
要するに、現場の人間に会社の数字を把握することを求めていなかったのかもしれません。
今となっては全部原価のままでもいい会社はあるんだな、ということも思えるようになりました。
これで思い出したことが、とある製造業の役員がMGを受けたいと電話をしたと聞きました。
その時の回答が「御社は(やらなくても)いいのでは」だったそうです。
全く同じ状況ではないかもしれませんが、そういう可能性もあるということを学べた瞬間です。
本当に、人間って失敗から学ぶ生き物ですね。