前回は売上ではなくて、PQを使おうという話でした。
売上をどんどん上げていっても、全然儲からないし楽にならない。
なぜかそんなことが起こり得るのが経営の面白いところです。
どうして起こってしまうかというと、売上の中身を把握していないことが多いです。
経営者が普段目にしている数字は、会計上での数字であることが多いのではないでしょうか。
具体的には損益計算書です。
損益計算書の一番上に表示されているのが「売上高」でしょう。
ほとんどの経営者は、この数字で会社の成果を把握することが多いです。
この売上高という勘定科目、ほとんどの場合が1行で表現されます。
売上が1,000万円の会社でも、10億円の会社でも、1兆円の会社でも1行です。
よく考えたら不思議ですよね。
その話は本題から若干逸れますので、また次の機会にお話しすることにしますね。

売上をPQとすることで、2つの要素に分けられます。
Pは販売単価、Qは販売数量です。
こんな単純な要素なのですが、実はものすごい情報の塊なんです。
何が、どこへ、いくらで、どのくらい売れているか。
この情報を正確に知っている経営者に、わたしはほとんど会ったことがありません。
それくらい、普段の仕事の中では意識されないことが多いんです。
しかし、これを知らないと何が起こってしまうでしょうか。
売上を上げるためには、たくさんの数を売る必要があります。
このご時世でありますから、そうそう定価で買ってくれるお客さんは見つかりません。
同業他社も当然売りたいのですから、価格を下げてきます。
そんな状況でも、売上目標を達成するために売らなければなりません。
そうして達成した売上はどうなるでしょうか。

例えば売上が1,000万円だった場合、Pが1,000円だったら、Qは10,000個売ったということです。
その売上が1,200万円になったとしたら、売上は20%もアップ!
とても喜ばしいことですよね。
そう喜んでいるのもつかの間、社内がどうも騒がしいです。
お客様の指定した納期に間に合わないし、発送もてんやわんやで大混乱。
売上が上がって注文が増えたから仕方ない。
そんな感じでみんなで残業を頑張って、なんとか注文に対応したのですが。
なぜか会社に利益は残りませんでした。
その正体は売上の中身にあります。
1,200万円の売上の中身が、以下のようになっていたらどうでしょうか。
P800円、Q15,000個
さすがにちょっとおかしいぞ、と気づくかもしれませんよね。
では、続きは次回に。