前回は移動年計で傾向を見るというお話でした。
これは売上だけに使える分析方法ではなくて、実はとても幅広く物事を観察できるんです。
会社が指標として使っている数字なら、結構何にでも活用することができます。
まずは色んな数字を移動年計にしてみることで、今まで気が付かなかった傾向を見ることができます。
例えばお客様数を移動年計にしてみたり。
お客様の数は自社のサービスを支持してくれているパワーの総数と言ってもいいですよね。
お客様に支持されなければ収益をあげることはできず、会社の存続も出来なくなります。
そんな大切なお客様数の増減傾向が分かれば、重要な意思決定を行うためのデータとなり得るでしょう。
もちろん粗利益額年計や固定費年計、経常利益年計は面白いデータが取れるでしょう
外注費の傾向を見るために、受注数と一緒に表示させるのもいいかもしれません。
受注数が増えれば外注費も上がるなど、同じような変動をするのが普通でしょう。
でも、この2つが違った動きをした場合、通常とは違う何かが起こっている可能性があることを教えてくれます。
在庫や受注残の年計もいいかもしれません。
季節変動をする業態などには適していて、在庫数の不用意な増加を抑えるツールにもなり得ますよね。
これらはただの一例に過ぎませんが、組織が気になっている数字を見える化する。
それだけでも、今までと異なる知見を得ることができます。
こういった移動年計は必ずグラフにして、全員が見える場所に貼っておくと効果が期待できます。
情報というのはあるだけでは何の効力も発揮しません。
正確なデータを集めて、誰にでも分かる形に加工し、全員に共有する。
見たら誰でも現状を把握でき、すぐにでもアクションを起こすように促されるのが最高の情報です。
大安売り!とか、避難警報!などはわかりやすい情報ですよね。
思わず行動を起こしてしまう人もいるのではないでしょうか。
会社の情報もそれくらいわかりやすいのが一番。
そして、全員が「安売りでお得だ!」「警報が出たぞ!」とすぐに理解できるように、しっかりと教育をすることが非常に大切です。