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稲森和夫の実学

稲森和夫の実学

最近はYouTubeで流し聞きをすることが多くなっています。

映像や音声は何かをしながらできるので、それはそれで効果的な側面はあります。

わたしの場合は仕事などに集中してしまうと、どうしても音声を聞き流してしまうことが多くて、やっぱりじっくり書籍で学ぶのが性に合っていることが多いですね。

今回は久しぶりな読書で、稲盛和夫さんの実学です。

やっぱり個人的に、経営や会計の本が好きなのかもしれません。

それも体験記のほうがスッと頭に入ってくるので、すらすらと読み進められる感覚です。

きっと書籍の中で起こっていることを、無意識のうちに頭の中でシミュレーションをしているんでしょう。

こんな時、自分の中の【分析思考】を感じる瞬間ですね。

稲盛さんと言えばアメーバ経営と連想されるくらい、経営と会計を自由自在に結び付けている印象があります。

それをなぜ行っているか、どのような経緯で行うようになったのかが、すっきりとわかるような1冊でした。

正しいことを当たり前にやる。

その思想の元に、たとえ国が定めた会計のルールであろうとも、正しくないと感じたら是正をする。

経営者として以前に、人間としてあるべき姿を追求する姿勢が垣間見れた瞬間です。

稲盛さんがストレングスファインダーを取っていたら、きっと【信念】が上位資質にありそうな香りがしますね。

それに加えて、芯の考え方はとてもシンプルな印象を受けます。

会計は航空機のコックピットである。

売上は最大に。経費は最小に。

誰にでもわかるような、面白い指標を指し示す時もあるんです。

MGでよく語られるような、国の制度としての会計と経営者が指標として見る会計の違いがよく表れています。

単純に全部原価方式と直接原価方式の違いというわけではありませんが、経営者が違和感を感じることはしばしば発生するのが現実です。

税理士や経理部長は、国の制度としての会計を学んできています。

会社で会計を行う際は国の制度に準じた会計を行いますが、実際に現場で起きている数字の変化とは実はかみ合わない。

現場で起きている数字の変化が経営者感覚であり、制度会計の数字を見るとどこか気持ち悪い

稲盛さんはその感覚を数字に落とし込むべく、しつこくしつこく質問を繰り返していたのでしょう。

どちらも正しいのがとても厄介なところで、最終的には思想や信念の赴くところへ落ち着く感じでしょうか。

経営者がどのように会社をデザインし、従業員とコラボレーションをしていくか。

その為の道具の1つとして会計があり、会計の数字を元にして経営判断をしていく。

書籍の名称通りに、まさに実学から導かれる経営体験が詰まった1冊です。

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