心理的安全性を築くには、トップの歩み寄りがとても大切です。
先日はMGで知り合った製造業の工場を見学させて頂きました。
当初は顔を出すくらいに考えていて、ご挨拶をして少しだけ中を見せてもらえたら嬉しいかも的に思ってました。
11時過ぎに到着したので、お昼くらいにお暇する感じかなー、お昼はどこのうどんを食べようかなー、と考えていたら。
気がついたら日が暮れるくらいまで楽しい時間を過ごさせて頂いてしまいました。
こんな状況下なので迎えてくれただけでもありがたいくらいなのに、会長と工場長自ら工場も案内してくれました。
そんなホスピタリティ溢れる思いが、会社全体に満ち溢れているような気がしています。
中小企業は良くも悪くもトップの影響を大きく受けます。
トップがしかめっ面をしていれば社員もつられて眉間にしわを寄せ、トップが笑っていれば社員もつられて談笑を始めるでしょう。
少し大げさに書いていますが、それほど大きく外れているとは思っていません。
それだけの影響力があるのですから、もしトップが従業員の方をしっかりと見て経営をしていたらどうなるか。
そんな会社の行く末を見せてもらったような気がします。
従業員たちはとても明るく、工場内を案内してもらってあちこちとエリアを移動するたびに、向こうから「こんにちは!」を挨拶をしてくれていました。
実はこれだけでも、すごい工場だなって感じる瞬間です。
いくつかの工場を拝見させて頂いたことがありますが、従業員が元気よく挨拶をしてくれる工場は例外なくうまくいっています。
それぞれの工場にはそれぞれの特徴がありますが、今回の工場は圧倒的な人間中心の環境を作っている点だと感じています。
経営的にどんなに苦しい時期でも、少しの工夫を行って現場環境を改善することを続けているそうです。
自ら現場に立って工場内が熱いと感じたら急遽エアコンを取り寄せ、お姉さん方が作業をし過ぎて腕がパンパンになると聞いては工具器具を改造して楽に仕事ができるようにする。
人の手で少し頑張ればやれていることでもオリジナルの機械を開発して工程自体を自動化したり、顧客の要望を完全に満たすために初の圧縮機を作りあげたり。
数え上げればきりがないくらい従業員に目を向けて、職場環境を変えてきたのがわかります。
そうなると、自然と従業員もトップの想いに応えているんだなということがひしひしと伝わってきました。
何が言いたいか。
明らかに一朝一夕で築き上げられた関係性ではないでしょう。
トップが「魂の経営」と口にしていたのが印象的ですが、会社が苦しい時でも従業員と向き合い、共鳴してくれる仲間を少しずつ増やしていった。
経営者の信念や想いは、とてつもなく強い流れを生む原動力になり得るのです。