長期の施策は手段は後回しにして方針を決めた後、着実に実行していくことが大切です。
電車に揺られてコンサル先へと向かっている朝のひととき。
電車を常用していたのは1年前までで、最近はお客様先へ向かう以外の使用頻度がめっきり減っていると感じる瞬間です。
さらには満員電車に乗ることがなくなったので、電車は座って移動するものという認識になりつつありましたが、やっぱり朝の移動は少し混みますね。
関東の一部では緊急事態宣言が出て、テレワーク7割を推奨していますが、電車の混み具合からみると実現には至っていない様子が見受けられます。
それはそうですよね、行政のパフォーマンス的な施策をいきなり提示したからといって、営利団体がすぐに対応できるかというともちろんしません。
積極的にテレワーク推進の補助金も出せばいいのでしょうが、補助金申請もめんどくさいし、所定の複雑な手続きを踏まなければいけないし、支給も遅い。
まず始めに行政がテレワークで業務できるようになって、業務の効率化を実現させないと難しいでしょう。
まさに「おまいう」的な施策で、盛大なブーメランを見ているのが少し楽しかったりします。

そんなことを心の中で感じながら、企業の未来計画作成のサポートをしている訳ですが、意外なことにテレワーク7割の施策自体には違和感を感じません。
どういうことかというと、行政の施策としてはとても有効な手段だと思っています。
もともと日本は驚くくらいに生産性が低く、国民総生産GDPこそ世界では3位ではありますが、国民一人あたりのGDPは26位です。
トップ3国と比べると3倍以上の差をつけられているので、簡単にいうと日本人3人で稼いでいる金額を1位のルクセンブルク人は1人で稼いでいます。
それだけ生産性が低いということですし、だから給与も物価も低いままなんですよね。
ということは、生産性を上げる施策を打つのは間違いありません。
テレワーク推進という施策は、今の日本にとてもマッチしているんですよね。

ではなぜ、テレワーク推進がイマイチ感を漂わせているかというと、短期的に評価すべき施策になってしまっているからでしょう。
コロナ対策としてすぐにでも数字面の成果を出したい政府の思惑と、本来は長期的視野において実施して少しずつ浸透させるべき施策が噛み合わないのです。
テレワークを推進して働き方改革を進めたいが、すぐに効果を求めるのならば文字通り改革が必要です。
改革とは制度などが変化をすること。
緩やかな長期的な変化は徐々に頭や身体が慣れて気付かないくらいですが、急激な短期的な変化は痛みを伴います。
誰でも痛いのは嫌ですよね。
なので、短期的な改革は強引な手段を行使しない限りは実行されないのです。
痛みを伴う改革を行わなければならないということは、実は手遅れだということ。
未来計画とは長期的に将来のあるべき姿を想定して、今から打つ手を考える事です。
実現可能かどうかは別として、あるべき姿へ向けて変化をし続けることがとても大切です。