動いてみなければわかりませんが、動く前にわかることもたくさんあるんです。
ちょっとしたご縁で新規プロジェクトの立ち上げ前に関わっています。
本当に立ち上がるかどうかはわかりません。
実際に立ち上がれば小さくはありますが成功する感触はある案件なのですが、やる人がいるかどうかという微妙なラインにあるのが面白いですね。
アイデアはあるけれども、ビジネスとして動かない。
世の中はそういったアイデアに溢れている時代になったと感じています。
と同時に、多くのアイデアが埋もれていく時代でもあるんだなぁっていう事実を垣間見た瞬間でした。
なんていう、まるで他人事みたいに書いてはいますが、やりたいという人がいたら全力で応援したいなって思っています。
応援はしたいけれども応援できない。
そんな不思議な状態がどうして起こるかというと、事前に検討できることをしていなかったりすることです。
これはわたしの【慎重さ】が十分に仕事をする場面なので得意分野ではありますが、逆に捉えると貴重なアイデアを潰す可能性もあるのが【慎重さ】です。
その事を知った上で、新規案件でもリスクヘッジを行いたい性分であり、成果を出しやすくする性分でもあり、気になるポイントでもあるんです。
まぁそんな話は置いておいて、例えばの話ですが、東京で気軽に立ち寄れる居酒屋を作りたいなぁって考えていたとします。
激安のお店なので、客単価を1,250円にしてみればめっちゃ人が来るよねーという設定にしておきましょうか。
そういう居酒屋も実際にあるので、ビジネスモデルとしてはパクリ対象でやってみたいという人もいるのではないでしょうか。
そんな感じで立ち上げ企画を進めていましたが、次のアクションが「どこにします?」という話になり。
ちらっと不動産関係者からもらった情報で「〇〇で居ぬき物件が好立地で家賃25万円くらいだって、いいんじゃない?」という流れでした。
いやいや、よくないでしょーと【慎重さ】×【分析思考】が仕事を始める時間になりました。
アイデアを潰したいわけではないですが、計算上儲けを出すことは大変かなぁと頭の中で電卓を叩いている感じです。
提供メニューなども決めていないので概算ですが、客単価1,250円なら粗利は600円くらいではないかなという試算。
少し変動費が高いですが、1人で回すことを前提にするのでお酒はすべて缶にすると仕入れ値が高くなる計算ですね。
固定費は家賃25万円に営業は1人で回して水道光熱費とリース料などを含めて30万円として考えると、月に必要な客数は最低500人。
週1日休みにすると1日当たり20人のお客様が必要な計算。
これが損益分岐点となるので最低ラインなのですが、投資額を回収するとなるともっと必要です。
初期投資が200万円で回収スパンを3年だとすると、1日当たりさらに4人増えて24人のお客様が必要となります。
本当は税金とか役員への報酬などを入れるともっとかかるのですが、最低ラインで計算してもこの数字。
お店の広さ的に2回転もすれば可能な数字ではありますが、ターゲットもメニューも決まっていない状況で見込み数字はまだ見えていない。
応援はしてあげたいですが、ビジネスとして厳しいと感じてしまうのが本音です。
ということを目の当たりにして、なるほど飲食業がレッドオーシャンではなくてブルーオーシャンだという説が腑に落ちた瞬間です。
優秀な技術者(料理人)は山ほどいますが、経営者が少ないという感覚。
そんな場面を垣間見て、わたしの立ち位置はわかりやすいと思いながら、そういう集団からどんな風に見られるんだろうという興味がちょっとだけ湧いていたりして。
やっぱりMGは大事だし、経営者感覚は磨いておくに越したことはないと確信した感じでした。