変化をしないことは安定ではなく、変化をすることで安定していきます。
寒さと花粉にやられている今日この頃です。
ほんの一週間ほど、この2つの要因がない場所で過ごしていただけなのに、早くも恋しさを感じますし、仕事の生産性も全然違うなという実感もあります。
この歳になってくると、身辺環境ってすごく大事だなって感じるようになりました。
若いころは気合と根性でなんとかしていたんだなって、今になって本当に思います。
20歳代は飲食業でブイブイ言わせていましたが、今その最前線で仕事ができる自信があるかどうかを考えてみると、おそらくですが若いパワーには敵わないと感じてしまう自分がいます。
敵わないと思いつつ、熟練の技術と経験でカバーをするのでしょうが、若い人たちはそれらをすぐに吸収して、あっという間に追い越していくでしょう。
年に数回だけですが、今でも飲食店の現場に入らせてもらう機会を頂いていると、本当にそんなことを感じます。
飲食業はマンパワーに頼っている場面が多いというのもあるんじゃないかなと思います。
オーダーを取るのも人、料理を作るのも人、料理を運ぶのも人、お会計をするのも人、テーブルを片付けるのも人、食器を洗うのも人、と書こうと思いましたが、食洗器は多くのお店に普及してきましたよね。
わたしがハンバーガーチェーンや居酒屋で働いていた時、毎日フライヤーの掃除をするのが結構大変で危険も伴うのですが、これも楽々になる厨房機器が現れています。
少しずつ機械の改良は加えられてはきていますが、オペレーションの改善の面でいうとほとんど変わっていないでしょう。
TOC的にいうと部分最適の領域であり、全体最適にはなっていないという見かたになるかもしれません。
部分最適と評価されると意味のないものだと感じるかもしれませんが、わたし的には第一優先ではないですけれども大事な視点だと思っています。
意外に飲食業は今風でいうデジタルトランスフォーメーション(DX)が遅れていて、旧態依然のまま経営しているところが多く見受けられます。
でもまぁ、日本は飲食業に限らず、かもしれませんが、それは少し置いておいて。
そんな状況を打開すべく、マクドナルドではモバイルオーダーの試みを始めていて、店内告知でも繰り返し「お席から注文できます!」と案内を流しています。
マックで仕事をしていると、洗脳なんじゃないかというくらい流れるので、もう頭に染みついてしまっています。
まぁしょうがないですよね、顧客の在店時間のサイクルに合わせて店内告知を行うので、長い時間居座っていると同じ告知を何度も聞くことにはなるのですから。
そういった試みがなかなか普及しないのが日本の特徴でもある印象です。
これってインフラ整備の観点でも言えることで、中国などが一気にキャッシュレス化が広まったのはインフラがなかったためであり、最初からキャッシュレスのシステムを導入したからですし。
現金でもOKとなれば従来の現金に流れますし、レジでも注文受けられますとなれば従来のレジに並びます。
こんな感じで既存の業態が変化をするのはなかなか難しいですが、新業態ならとても楽にDX化を行うことが可能です。
最初から当店はこういうシステムです、と堂々と宣言できますからね。
・現金は取り扱っていません。
・オーダーはWebもしくはセルフレジのみとなっております。
・テイクアウトのみの提供となります。
・指定の時刻にご用意いたしますので、合わせてご来店ください。
・商品はご指定のボックスからお取りください。
そんな飲食店が出始めています。
完全に非接触型であり、コロナの影響もあって新生活に対応した形にもなっています。
新しい試みなので、まだオペレーションとかみ合わない部分もあるという評価ですが、今後の飲食店の在り方を考える一石を投じたのではないでしょうか。
これが実現をすると何が変わるかというと、圧倒的に固定費を抑えられるので、その分を原価に回したり、既存の従業員の還元したり、研究開発をしたり、利益を十分に確保できるようになります。
オペレーションをDX化することによって、選択肢が大きく広がるのが魅力なんですよね。
今の仕事のやり方を大きく変えるきっかけを作り、代替できるものに置き換える思考がとても大切です。