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情報なき国家の悲劇

情報なき国家の悲劇

過去から学べることはたくさんありますが、その過去情報も玉石混淆であり、宝探しでもあります。

最近読んだ中での一番のヒットだった本。

一番とは言っても、実は母数が結構少ないのですべての本がトップ10入りするような感じなのがなんとも言えない感じですけれどもね。

あまり本を読む時間を取っていないなって感じ始めているので、365日ブログチャレンジが終わったら時間を取ろうかなと思っていたりします。

ブログって書く内容が決まればスラスラと書けたりする時はありますが、考えながら書くとまぁまぁの時間を取られたりするところがあります。

特にわたしの場合は【コミュニケーション】が34位と最下位なので、それを補うためにわかりやすく伝えるための文章を書こうとすると、【最上志向】×【内省】で考える時間と見直す時間がとても長いことに気付きました。

中にはブログを1本書くのに10分程度で毎日書ける人がいると聞きますし、訓練すればそんな域に達するのかなと淡い期待を抱いていましたが、まぁ世の中はそんなに甘くはないような気がします。

まさにストレングスファインダーでお伝えする、速読のトレーニング実験と同じ結果になったということでしょうか。

というようなブログ振り返りは、明日という日が来れば無事に365日目を迎えるので別に書くとして。

「情報なき国家の悲劇」は太平洋戦争時、大本営の参謀を務めた堀栄三氏の著書。

情報という分野には全くの無縁だった立場から、国家単位での情報を扱うようになり、最終的には神懸かり的にアメリカの作戦予測を日付までほぼぴったりと的中させるまでに至ります。

多くの大本営参謀が前線を知らず、日本本土で立てた作戦を前線が気合で遂行せざるを得ない中で、堀氏は最前線へ赴いて現場の状況を把握する。

もちろん最前線は命のやり取りを行っているわけで、制空権はおろか、制海権も完全に奪われた太平洋を移動するのはまさに命がけ。

航空機は落とされ、船は潜水艦に沈められ、満足に指示の伝達も米1粒の補給も行われない前線を垣間見ながらの回想録だけでも、戦争を知らないわたしのような世代には感情を揺さぶられるものがあります。

今となってはそう思うようになりましたが、タイミング悪く少し若い頃に読んでいたら受け止め方はちょっと変わっていたかもしれません。

まさに自分が今、どのステージに立っていて、どんな情報や感情を受け止められるか

そんなタイミングだったんだなって実感もしているのが、なんとも面白いところではあるんですよね。

戦争がいいとか悪いとか、そんな話ではないのがこの本のいいところで、あくまでも情報の扱い方を中心として太平洋戦争で起こっていた事実だけを記述している点がとても面白いんです。

本来は「あほぉ!」と感じるんだろうなということでも、冷静に感情を挟まずに起こっていたことだけを記載してくれています。

少しだけ本音が出るところがありますが、そこもまた人間味が溢れていて逆に共感をするくらい。

そんな著者が何度も記載していることは、広く情報を集めることと、その中から1粒のダイヤを探し当てること。

広く情報を集めるためには地道で泥臭い活動が必要ですし、精密な情報を得るためには信用を得ることが必要だということです。

経験を積んでくればダイヤのある場所がクリティカルにわかるので、某国の戦車技術を得たいがために堀氏が依頼されたことは「視察の際にある部品の寸法を測ってきてくれ」のみだったそう。

そのたった一箇所の寸法さえわかってしまえば、連鎖的に戦車の構造を99%図面化できるんだそうです。

実はそんなことで情報はいとも簡単に盗まれ、自国の利益が毀損されてしまいます

最近はLINEのデータが韓国に保存されていることが問題とされていますが、情報の扱い方としては当たり前なことであり、情報保持の安全性を高める点で言えばクラウドサーバの基礎知識といった立ち位置です。

その情報の扱い方は立場によって変えなければならず、個人なのか、中小企業なのか、上場企業なのか、国家なのかなどによって変わってきます。

スペースXがStarlink衛星をガンガンに打ち上げて、地球全体をカバーする計画を粛々と進めつつあります。

一般的には衛星通信によって地球上のどこにいても4Gが使えるようになるので便利になりますし、その頃には日本中に基地局を設置している携帯キャリアが、どのようになっていくのかも興味ごとではありますが。

さて、そのStarlink衛星の情報をアメリカはどのように活用されるでしょうか。

どこかしら、今も昔も日本の立ち位置は変わっていないのかもしれないなって、もやもやっと感じる今日この頃です。

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