前回は変動費Vの削減は慎重に行わなればならないということを伝えました。
Vはサービスの品質に直結しており、安易な削減は粗利益MQの低下につながる恐れがあります。
よく飲食業では原価率30%にするべきと言われており、価格設定を原価から行うことが恒常化していたりします。
それを行うことで、自動的に販売単価Pを決めることができるので、楽と言えば楽です。
例えばラーメン店で言うと、変動費Vは1杯当たり240円かかるとします。
そうすると、Pは240円÷0.3=800円にしようと安易に決めることがあります。
しかし、その価格設定でしっかりと利益Gを取れるかというと別なお話です。
業界の常識と言えば常識ですが、方法がそれしかないのかというと、そんなことはありませんよね。
少し前に飲食業界に新風を巻き起こした俺の株式会社は、高級フレンチという業態に立ち食いというエッセンスを加えて、大きな利益をあげました。
ほとんど広告を打つこともなく、ほぼ口コミのみで集客ができたというのも注目すべき点です。
口コミでお客様が集まるということは、来店して頂いたお客様に感動を与えることができたということでしょう。
それだけ料理の質が高く、価格が低く、お客様の予想を大きく上回ったということです。
でなければ、他の人との会話で話題に上がることもないですからね。
格安蕎麦店などでは当たり前の業態でしたが、高級フレンチという業態ではイノベーションを起こした一例でしょう。
他にもWAGYUMAFIAでは、1個5万円のカツサンドが売られています。
長い期間牛肉を熟成させた高級肉を削って作ったり、高価な箱に入れたりするので、原価はいまいちわかりません。
でも、1個当たりのMはかなり確保できるはずなので、この価格設定も原価から算出されたわけではないのは確実です。
他にもコラボで1杯1万円のラーメンなど、強気の価格設定が目立つ業態です。
これらは業界の常識と言われている、原価は30%という概念を覆して大きな利益を出しています。
原価から算出するのではなく、価値に値段をつける。
俺のではびっくりするくらいの安さと本格的な味で驚きを与え、口コミのみで拡散をしていきました。
WAGYUMAFIAでは価格に見合った価値の提供と、設定した価格でも購入するであろう客層へのマーケティングを徹底しています。
業界の常識を続けている限りは、このようなイノベーションを起こすことはできないでしょう。
でも、難しく考える必要はありません。
他の業界でうまくいっていることを、そのまま真似ることで自分の業界にイノベーションを起こすことは可能です。
自分の業界の常識は、他の業界では非常識に当たります。
一見関係のなさそうな業界へベンチマーキングをする。
そんなことも実は大切な情報収集の場です。