会社の運営方法を2つに分けるとすると、1つの形としてトップダウン型とボトムアップ型に分けられます。
ちょっとPDCAについて想いを巡らせていたら、唐突にこんなことを思い浮かべていました。
厳密に経営者がこれらの型を意識することは稀だと思いますが、ある程度組織が大きくなってくると、課題として認識することが多いという印象です。
創業時などは社長の力量次第で会社の業績が決まることも多く、ほとんどの場合は社長が独断で意思決定を行うトップダウン型でしょう。
そして組織がだんだんと大きくなっていき、社長の目が全体に行き届かなくなってくると考え始めたりします。
この会社、どうしよう。
もしくは未来の会社を想定して、もう少し早く手を打つかもしれません。
ある社長の動機は「そろそろ楽をしたい」というのを聞いたことがあります。
動機は不純で全然OKですよね。
トップダウン経営から、社員に主体的に動いてもらうようなボトムアップ経営に移行したいという社長は、ちらほらとお聞きします。
その時にどんな手順を踏むのがいいか。
今までトップダウンでやってきた場合、方針は上から降りてくるものです。
ということは、現場の社員は業務遂行能力がものすごく高まっている反面、業務上の施策を自ら作り出す能力は育っていません。
そういった社員が多い場合、いきなり「これからは自分たちで考えて仕事をしろ」と放り出してもなかなか結果は出にくいです。
無茶振りと感じられることもあるかもしれません。
職責がどうのとか、社歴がどうのとか、社会人なんだから自分で考えるべきなどの理由は関係ありません。
今までさせてこなかったことをやらせて早く結果を出せと言っても、お互いが不幸になるだけです。
いきなり結果を出してしまう優秀な社員もいますけれどもね。
すべてに当てはまるわけではないので、人に依存した施策は今回は置いておきましょう。
では、どうするか。
ボトムアップができるように、改めて育てていくしかありません。
それはもう、新入社員のように最初は手取り足取りです。
トップダウンに慣れた社員には、それくらいの気持ちで向き合う方が早く定着することが多いと感じています。
PDCAサイクルを業務に組み込み、自分たちの業務を振り返る習慣をまず作っていきます。
時間をかけて手順を踏みながら、自分たちの仕事環境や前後の工程のことやお客様のことを学んでいきます。
そうやって視野を広げていきながらPDCAサイクルを1年2年も回していくと、だんだんと自分たちの施策の精度が上がっていくことに気付くでしょう。
そこまで習慣化ができれば、ひょっとしたらPDCAを用いる必要もなくなるかもしれません。
ボトムアップにしたいなど、会社の方針を変えたいと感じたら、早めに時間をかけて育てていくことがとても大切です。