現場を知り、望む姿を明確にすることがとても大切です。
1月のカレンダーを見ていると、気がつけばあれこれと予定を入れ放題月間になってました。
昨年のコロナ後から続いたのんびり具合から一転、当社比200%くらいのお仕事集中モード。
その隙間を縫って色んな意味での新規案件に動いているので、隙間を埋めるパズル的な要素がスケジューリングに加わった感じです。
この感覚は懐かしいですが、ボーナスステージが終わったと思って突き進むのみですね。
そんな感じなので、新規案件に必要な公的書類を取りに行く時間ももったいないので、ネット請求することにしました。
よく使う法人の謄本や印鑑証明書をネットで申請して、郵送してもらえる期待の便利システムなのです。
存在は前々から知っていたのですが、自治体や官公庁主導のシステムはe-Taxのわかりにくさから敬遠してたのが本音です。
ただ、今回は本当に法務局へ行く時間が惜しかったので、えいやと重い腰をあげて電子申請を試してみました。
使ってみたのは「登記・供託オンライン申請システム」と「商業登記電子認証ソフト」の2つ。
結論からいうと、迷走しまくってこういう仕様になったんだろうなぁというのが、元システムエンジニアの観点かもしれません。
これらのシステムに比べたら、e-Taxはかなり改善されたんだなぁとしみじみ思います。
わたしはそれなりに説明書も読むし、システム的な勘も働くと思っていましたが、それでも申請までの手順がわからな過ぎて2回もサポートデスクに電話をしたくらいです。
PayPay導入手順くらい簡単にしてくれたら、大勢の人が活用してくれそうな気がします。
そして、結果的には結局法務局に足を運ばなければなりませんでした。
これは何が起こっているかというと、システム化することが目的になっていたんじゃないかと思っています。
IT化の波が押し寄せても相変わらずアナログで業務していた官公庁が、世論の変化から重い腰を上げざるを得なくなった。
なので、しょうがないから手順とセキュリティ条件をがちがちにして、仕様はシステム会社に丸投げで進めたような香りがプンプン感じたのが本音です。
おそらくは色々とプレッシャーや縛りがあっただろうと予想されますが、現場が望んだ形になっていないんじゃないかなぁ。
もしくは現場はシステム化していることすら知らされていなかったのかもしれません。
システムの機能的には申請の受付業務のみを行うので、現場はそれほど楽にはならないでしょう。
加えて電子証明書の発行を窓口で行わなければならないという謎仕様の為、システムを運用するために新しい仕事が増えるという、やってはいけないシステム構築をしています。
そして、電子証明書を発行するために使用料が必要という、利用者に新たな負担を強いらなければ運用ができないシステムを構築したということです。
本来、業務システムは利用者(顧客)の利便性向上と業務量の低減を主目的にすることが多く、顧客満足度の向上とリピーター確保による囲い込みと同時に、無駄な業務を減らして粗利益を稼げる業務に時間を使えるようなシステムが望ましいです。
例えば法人の印鑑カードがすでに発行されているので、それをキーとして申請・精算・発行まで一気通貫で行えるのならば、利用する人も多いでしょう。
わざわざ法務局まで足を運ぶ人も徐々に減ってくるはずなので、人員の削減や局自体の削減にも繋がります。
そういうシステムを構築していれば、利用者に追加の費用を徴収することなく運用が可能です。
システムを導入した結果、どうなりたいのか、現場がどうなっていくのか。
大きな予算を使う場合は、未来の想定をすることがとても大切です。