子供と釣りにいく約束をしていましたが、朝になって行きたくないとごねまくり。
よろしい、ならば戦争だ。
約束を守らないということがどういうことか、じっくりと教えましょう。
そんな愉快な朝が始まりましたが、ブログは昨日の続きにしようかと思っています。
製造業で原価を算出する方法はいくつかあると思いますが、いずれも全部原価を基準に行っています。
わたしが担当させて頂いた工場も、日本の税法に従って全部原価を取り入れていました。
MGでは投入費や完成費が明確にわかりますので、仕掛品の単価や製品の単価がわかりやすく計算ができます。
現実の工場では扱っている製品が多岐にわたりますので、一製品ごとに原価を算出することは至難の業です。
できないことはないのですが、相当の労力と時間が必要になるのは否めないですね。
でも、当時のわたしには時間だけはたくさんありました。
ある意味力業で、1万点を超える製品の原価をちまちまと算出していったんです。
ただ1万点を超えるといっても、部品数は比較的少なく、原価の算出方法も明確でした。
主要商品で使用している100点前後の部品の原価さえ出してしまえば、あとは部品の組み合わせで足し算をすればよかった感じです。
この辺りはわたしの【分析思考】が活躍しやすい場面で、とても喜ぶ作業です。
物事のパターンを見出し、シンプルにしていくのが得意なんですよね。
部品原価の足し算の中に、「工賃」を加えるのが全部原価のミソだったりします。
生産に関わった労務費や工場の経費を、生産した製品に割り振る必要があるんです。
直接原価で考えれば、出来上がった製品の原価は部品原価の総合計のみです。
でも日本の税制上、直接原価で行うわけにはいかず、労務費や工場の経費も製品原価として割り振らなければなりません。
この税制上の原価の定義が、多くの経営者の判断を惑わせているのかもしれないですね。
それと関連した話でもう1つ思い出したことがありますが、それは別の話で書くことにして。
製品の他にも仕掛品は別の算出方法がありました。
何種類かの金属を使用していましたので、金属の種類によって仕入れ価格が違います。
さらには同じ金属でも大きさによって単価が異なるので、どんな金属で、どんな大きさで、どんな厚さを材料とするかにもよって、原価が変わってきます。
さすがにそこまで原価管理しきれなかったのか、従来のやり方はとてもシンプルでした。
金属の種類ごとに平均仕入高を設定して、仕掛品になった時は金属ごとに仕掛品単価を決めていました。
簡単にいうと、500円で仕入れた鉄は仕掛品になると1800円として評価する。
そんな感じで仕掛品の棚卸高が決められていきました。
当時、直接原価しか知らなかったわたしにとっては、衝撃的でもありましたし、おかしいと感じていたのを覚えています。
クライアントの社長にもその話をしたことがあり、返ってきた言葉は「それは管理会計の話?」でした。
そりゃそうですよね。
物を知らなかった時代って、こういうこともあったんだなぁって思い返します。
3回に渡って色々と簡単に書いてきましたが、何が言いたいかというと、担当させて頂いたこの製造業の会社では本当に勉強をさせて頂きました。
貢献することができたところはあるとは思いますが、それ以上にご迷惑もたくさんかけたと思います。
今も思い出しながら感謝の念が沸き上がっています。
この件だけではなく、今まで関わらせて頂いた多くの人たちの顔が浮かびます。
人生はそういうことの積み重ねなんだと思いますが、この想いは忘れずにいたいと思います。