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低Fに振るのも戦略

低Fに振るのも戦略

あえて逆張りな手を使うことで利益をあげる。

株式相場の動向を見る際に、一般では考えないような買い方をして利益をあげる人がいます。

相場が下がっている時に売り、上がっている時に買ったり。

一般常識で考えると意味不明です。

でも、その相場で売買をする人にとっては、ほぼ利益確定に見えるのでしょう。

なぜなら、誰も手をつけないから。

完全な独り勝ちです。

そんなことを考えながら、先日とあるファミレス大手で見た光景がこれです。

手書きの注文伝票が各テーブルにありました。

世の中がタッチパネル等でお客さんに注文をさせる時代の流れの中、あえてアナログで攻めてます。

他にもクレジット決済はおろか、非接触型やQRコードでの決済もないので、会計は現金オンリー。

でも、価格は他のファミレス大手に比べてかなり格安。

そう、サイゼリヤです。

国内で1,000店舗以上をすべて直営で展開する、国内大手のファミレスチェーン。

この徹底的に固定費をかけないスタイルで、低価格ながら大きな利益をあげています。

実際にファミレス大手の中での営業利益率はトップで、2019年度の営業利益は9,500万円と好調です。

さすがにコロナの影響で2020年度は赤字になりましたけれども、価格帯や顧客層から見てすぐに復活していくでしょう。

世の中の常識はIT化であり、傾向として人口減少もあって無人化もしくは省力化に向かっています。

周りと同様にタッチパネルなどの機器を導入して大幅な固定費を使ったとすると、今まで通りの低価格での提供はできなくなるかもしれません。

それはおそらくですが、サイゼリヤの経営理念の中にある「この品質でこの価格?!と思える」「お財布に優しい価格だからー毎日でも食べられる」の達成を困難にすることでしょう。

タッチパネルを導入すれば、ホールスタッフの手間は軽減されるかもしれません。

でも、それによって経営理念を実現できなくなったとしたら、企業体としては非常に危ういと言わざるを得ないと思っています。

わたし的にはこの手書きの注文伝票、結構好きだったりします。

限られた経営資源の中で実施できるちょっとした工夫で、経費をかけずに1,000店舗の業務改善を行っているんです。

店員が注文を書く手間はなくなり、顧客がメニューを選んでいる時間、テーブルの脇に立って待っていることもなくなります。

注文時のミスや店員の聞き取りミスも大幅に減ると思います。

お金をかけなくても、ちょっとしたことからの改善を繰り返すことで成果が上がっていきます。

この取り組みも試行錯誤中というWeb記事も見ましたので、まだ始まったばかりなのでしょう。

Never say “I Know”

ITも業務改善の主要な手段ですが、それだけに捉われてしまうと視野が狭くなります。

企業文化に合った施策を打つことも、とても大切です。

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