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損益分岐Qの半分

損益分岐Qの半分

【中間決算】損益分岐Q0は100個、現在販売Qは25個、Aやります、B無理です。

コロナ禍の影響が続く今日この頃。

日本を始めとしたアジア各国では大した事はないのですが、欧米諸国の影響が大きいのであおりを食うのはしょうがないかもしれません。

海外との行き来もまだ制約が大きいですし、オリンピック開催も大きく揺れている状況ですよね。

国際線は一応飛んではいますが、1便あたりの乗客を100名に抑える施策がなされている上に、その人数もさらに80名まで引き下げるという決定がされました。

これは入国者を週3400人までに抑えるという意思決定から導き出された数字であるそうですね。

いやー、航空会社からすると厳しい数字ですね。

何を根拠に週3400人まで入国を認めるという数字を出したのかもわかりませんが、逆にいうと3400人は海外から人を入れてもいいという意思決定。

コロナウイルスの変異株がどうのこうのと言っている割には、入国を受け入れているのが面白いところですよね。

変異株が流行っている国からの入国はゼロにはできないという意思決定なのに、コロナウイルスの影響は限りなくゼロに近づけたい。

と、当初書こうと思っていたことから外れつつあるので戻そうかと思います(笑)。

1便80人までしか乗客を乗せられないとなると、さてさて航空会社はどうやって利益を出せばいいかと考えてしまうタチです。

航空機の搭乗可能人数は多くは200~300席であり、ボーイング社の中型最新機である787型はその範疇に収まります。

全世界で1000機以上飛び交っている大型機の777型になると500人以上を運べるスペックがあります。

そんな航空機を数多く運用している航空会社が、さて80人までしか乗せてはダメと言われるとどうすればいいのか

昨日の話ではないですが、頼まれごとは試されごと。

頼まれごとではなくて強制的な制限ですが、この苦境を乗り切るしか道はないですよね。

一般的な航空会社は搭乗率60%でようやくトントン、格安路線を運用するLCCとなると70%確保しないと厳しいと言われています。

搭乗率が60%ということは、例えば250席の航空機を運用する場合は250席×60%=150席が埋まらないと赤字ということ。

それをほぼ半数の80席にしなければならないということは、相当厳しい条件を突きつけられていると言ってもいいのではないかと思います。

航空会社の場合は空港ごとに使用料が異なっていたり、積載重量と航続距離によって投入する燃料の重量を変えたり、燃料も含めた総重量が軽かったり飛行距離が短いほど燃料効率が良くなったりするので、シミュレーションをすると複雑になるのでやめておこうと思います。

とはいうものの、航空機輸送に際しての変動費Vに当たるであろう燃料費は相当安いです

150人乗りの小型機のシミュレーションがYouTubeにアップされていますが、目的地に1時間で到着するフライトでかかる燃料代は、1人当たりに換算すると約2.5ドルで270円程度に過ぎません。

羽田-伊丹路線など1時間程度の便はLCCでもない限り航空運賃が1万円を切ることはほとんどありませんので、売上と粗利益の差はほぼないと言ってもいいでしょう。

それでいて客数を損益分岐点の半分程度にしなければならないということは。。。単純計算で料金を倍にしないと赤字になるということですよね。

あくまで上記は国際線だけの話ですが、リストラなどで固定費を削減せずに、出向などでしのぐ方針を打ち出しているANAとJAL。

応援したい気持ちは満載ですので、これから国内線だけでも活気が戻ってくれるといいなぁって思っていますが、欠航が多いのでなかなか使いづらいところがニンともカンとも。

海外ではリストラも検討されていて、政府からの雇用支援策で従業員を呼び戻したアメリカン航空も、雇用支援策が途切れる4月から10%に当たる1万3000人の無給休暇の可能性を示唆。

航空機産業はなくなりはしないでしょうけれども、大きなダメージが残らないように立ち回って欲しいなって思う今日この頃です。

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