EXCELを使って効率よく行えば良いというわけでもない。
元システムエンジニアですが、そんなことを思う日もあります。
とても便利なツールでも、使い方を誤れば成果が著しく阻害されるかもしれません。
あらかじめ決められた型というのは、習得がとても楽で早くなるメリットがあります。
しかし、それがデメリットにもなる危険性もはらんでいるのが面白いところです。
どんなことが起こるかというと、EXCELで設定したフォーマットから脱却する事に抵抗を感じるようになります。
型にずっぽりとハマってしまうんですよね。
データの集計や売上日報などを管理したいのならば、EXCELは入力から出力までをサポートしてくれるでしょう。
作業時間が短縮される上にミスも減り、業務上欠かせないツールとなります。
わたしもEXCELはよく活用していますし、規模が小さい頃はEXCELで何でもできると言っても過言ではないです。
簡単で万能すぎるのがとても良いところですよね。
先日、クライアントの会社で部門ごとに来期の計画を作成していた時です。
ある部門が今期の販売実績をEXCELでまとめていました。
経営計画を立てる場合は、期が終わって実績が一年分確定してから計画作りをする訳ではありません。
期の途中で来期の経営計画を立てるので、今期の残り分を予測する必要があります。
本来はすでに注文があるなど、今期中の販売が予測できる範囲を加味します。
ところがEXCELを扱えてしまうと、一年の中で残りの期間の割合を出して、単純に今までの売上と販売数を割合で増加させて予測してしまう人がいます。
さらには来期の計画を作る際に必要な粗利益額を割り出した後、全ての商品に今期の販売実績の割合で粗利益額を均等に割り振って、来期の販売計画にしてしまうこともあります。
計画を作る事自体が目的になってしまった例ですね。
全ての商品の売上を均等に伸ばすという方針は、全てに対して集中しないと同じ意味。
ということは、何も新しいことはしないという意思決定なんです。
早くて効率が良ければいいという訳ではありません。
時にはじっくりとデータと未来を見据える時間も大切です。