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攻めの一手

攻めの一手

会社は潰さないことが第一、それを前提として攻めるタイミングを逃さず、潰れない体質にしていくことがとても大切です。

星野リゾートが福岡になるグランドハイアットを取得したそうです。

博多にはキャナルシティというエンターテインメントを全面に押し出した商業施設がありますが、立ち寄った人も多いのではないでしょうか。

街が丸々収まったような構造で、単なる商業施設に収まらないコンセプト。

感動、ワクワクを与える「都市の劇場」を目指しているだけあって、エンターテイメント性のあるイベントが数多く行われています。

わたしも目的なくふらっと立ち寄ったことがありますが、博多の街のど真ん中に作られた劇場という感覚で、小さなラスベガスって感じなんだろうなって見えたのを覚えています。

そんなキャナルシティに併設されているグランドハイアット福岡は絶好な立地であり、大きな可能性を秘めている施設であることは間違いありません。

よく投資は逆張りっていう言葉を聞きますよね。

例えばコロナ禍のご時世ですから、経済が今までにないくらいに停滞しています。

何が起きるかというと、キャッシュがあまり循環していない状態になり、世の中にお金が回らなくなっています

テレワーク推進で考えていくと、家で仕事をするようになるので電車や車に乗らない、スーツを着ないのでクリーニング屋を使わない、ランチを外食していたらしなくなる、缶コーヒーを買っていたのをスーパーで買ったコーヒーを自分で淹れる。

そんな感じで出費が減ったという人は多いのではないでしょうか。

企業も同じように社員が通勤しないので交通費の負担がなくなった、オフィスがいらないから解約して家賃を払わない、テレワークで効率的になったので残業が減って残業代を払わない、集合研修をしなくなったので教育研修費を使わない。

企業も同じように経費を使わないようになったところを多く見かけます。

物事は表裏一体なので、出費が減るということはそのモノを売っていた企業の売上が減るということ。

売上が減れば利益が減るので、こちらもやっぱり出費を減らさないと生きていけない。

となるとますますモノは売れなくなるので、需要と供給の関係からもわかるように、だんだんとモノの値段が下がってくることが多いです。

となると、多くの企業は今と同じ大きさを保つのが難しくなり、事業縮小を行ったり、最悪は廃業を考えたりします。

経済が回らない、お金が社会を駆け巡らないということは、社会を小さくしていかないと維持できなくなってくることでもありますよね。

その影響を大きく受けているのが、今回のホテルを始めとした観光業であり、オフィスを運営する不動産だったりします。

オフィスを使わなくなっているので、東京のオフィスビルの空室率は2%を切っていたのが4%を超える程度に上昇。

大きなホテルやビルを建てるのに銀行から借入を行っていることがほとんどですから、ホテルの売上やオフィスを貸し出して得られる賃料を借入返済に回している状態がしばらく続きます。

その売上がなくなったら借入返済が困難になるので、今回のような売却を行わないといけない状態になってしまいます。

ただ、買う側の企業も苦しいには変わりありませんので、今まで考えていたような高値では買ってくれない可能性が高いです。

しかも売る側は売れずに持っていると、借入返済をしないといけないので早く売ってしまいたいのが本音。

そういう状況のホテルを星野リゾートが買い取る意思決定を行ったのは、十分なキャッシュを手元に持っているのと、将来的な可能性の大きさを見据えてのことでしょう。

星野リゾートも観光業ですが、昨年10月末のBSを見てもキャッシュ/借入共に微増というところ。

利益もそれほど落としていないので、健全な経営を継続して行っています。

そういった企業がコロナ禍にはチャンスとなり、さらに大きく成長していける環境なのは間違いありません。

本当に観光業の需要が戻るかどうかはわかりません。

わからないからこそ、色んなチャンスが転がっている環境だとも言えるでしょう。

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